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平衡定数・会合定数・解離定数・結合定数を理解する上で必要な4つのポイント

2019年10月4日  2019年12月18日 
会合定数とか解離定数とか結合定数とか。
教科書にはあるけれど、はっきり言って混乱します。
同じ様な言葉遣いは辞めてほしいです。統一してほしいと。
ということで、今回は、これらのワードとその意味を分かりやすく説明します。

平衡定数・会合定数・結合定数の違いについて

これらの関係性を一言で説明すると

平衡定数=会合定数=結合定数=1/解離定数

となっています。
会合定数と解離定数の違いというのは、目線の違いと理解するのが良いでしょう。


例えばAとBが反応してABとなる時、「くっつく側の目線」で考えるのが好ましいでしょう。ということは、言葉としては会合定数or結合定数を使います。同じ数値ですが、平衡に主眼を置いている時は、平衡定数と呼びます。
名前の違いは何で!?と思いますが、この定数を使う分野にもよります。
例えば、化学の平衡を偏らせるとかいう時には、平衡定数(Equilibrium constant)と言います(平衡の視点)し、相互作用の強さを表現する時は結合定数or会合定数(Binding constant)と言います。
実際のところ、違いはありません。

一方で、ABが壊れてAとBになるとき「離れる側の目線」で考えるのが良いでしょう。ということで解離定数という言葉を使います。

そして K =  反応後/反応前 という式を立てる。ただそれだけです。

結合定数(=会合定数)の式について

まず、会合定数とは、平衡状態(くっついたり離れたりする状態)において、どれだけくっつきやすいかということです。
AとBを溶かした水を混ぜたら、どれくらいのABが出来るかということ
それを、表現したのが結合定数です。
続いては、結合定数の式について説明します。

Aの濃度が[A]
Bの濃度が[B]
ABの濃度が[AB]

とします。その時、会合定数Kは下の式になります。

解離定数の式について


K(解離)はK(結合)の逆数です。
K(解離)=1/K(結合)となります。

良くあるやつ。初期濃度A0とB0で。。。。。ってやつ

初期濃度とかの話が出てくると、脳みそがパニックになって分かりにくくなる。たぶん僕以外もそうだと思う。なぜ。初期濃度とかの話が出てくるの!?って思う人が多いと思う。

なぜ初期濃度とかの話が出てくるかというと、”実際の実験中に全ての濃度を観測することが難しいから”である。
平衡状態で、[A]と[B]と[AB]の濃度が直接分かるならば、K=[AB]/[A][B]で良い。
しかし、実際の実験においては、初期濃度[A0]は分かるけれど、AがすこしBと反応して減ってしまったAの濃度[A]は分からない。Bにおいても同様で、初期濃度[B0]から変化してしまう。ということで、良く見る関係式が出てくる。
[A]=[A0]-[AB] 
[B]=[B0]-[AB]
みたいなやつ。

実験的にどの数値を調べることが出来るかによって、上の変換式を使って会合定数を求める必要が出てくる。これらの問題を解決するために、初期濃度とかの問題が問題集に載っているのである。







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