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大学化学の勉強法(高校化学と大学化学の違い)

2019年10月15日  2021年1月4日 

高校化学と大学化学の違いについて

高校を卒業して大学に入学すると、高校までの勉強とは異なる概念での授業が始まります。そして化学は、物理っぽくなってつまづいてしまう人も多いです。私も、大学入学後は、成績が低くて苦労しました。
まずは、大学化学と高校化学の関係性について、下の図のように考えると、勉強のしやすさが変わります。
つまり、高校で学んだ範囲というのは、表面上の話であり、受験に向けて収束します。(受験というのは、公平でなければならないので、決められた範囲しか教えません)
大学の化学は、高校化学の上に成り立つものではなく、高校化学の深くから始まる化学だと考えてください。そして最終的には、色々な研究に向かって発散します。行き先は無限ですので、その基礎を勉強するのが大学化学です。
そのため、大学の化学は0から勉強をし直すということです。また、スタートラインが高校の延長ではないということを理解してください。「大学では、生物は化学になり、化学は物理になる」という話が有ると思いますが、正確には、「大学では、物理っぽい話から始まり、最終的に化学になる」が正解です。

大学化学の授業について

大学で授業は、先生ごとにかなり教育格差があります。つまり、大学(担当する教授)によって、わかりやすさが全く異なる。さらに、予備校のように教育格差を埋めてくれるシステムもないので、自分でなんとかしないと大学卒業時にかなりの知識差が出てしまいます。それに加えて、『再履修』以外で、知識不足や聞き逃したところを復習する手段がありません。ということで、「授業ありき」ではなく「自主勉強」によって全国レベルの知識を手に入れることが必要になっています。(先生の能力で自分の将来が左右されるなんて真っ平御免ですからね)本サイトでは、大学の化学の理解しにくいところを少し解説したりしています。

電子配置・電子スピンから軌道まで【s軌道,p軌道, d軌道】
混成軌道について
など







大学化学の勉強法について

大学化学は、有機化学・物理化学・分析化学・化学工学・高分子科学・生化学から成り立っています。大学一年生では、有機化学と物理化学の基礎を勉強します。2年生くらいから化学工学や高分子科学が始まります。3年生では、より発展的な内容の授業だったり、先生の研究分野に近い授業になっていきます。4年で研究室配属になります。
大学化学を勉強する時に考えるべきところは、出来るだけ基礎に結び付けて勉強することを心がけてください。基礎とは、1年で勉強する範囲のことになっています。つまり2年,3年で勉強する内容も1年で勉強した基礎とヒモづけることで、より深い理解が可能になります。連想して深く考える技術は、卒業研究や論文執筆にも役立ちますし、単なる化学の知識ではなく、一生使える技術となるでしょう

勉強の順序について

勉強の順序について説明します。おそらく大学生ならば、手元に教科書、授業プリントが有ると思います。それに加えて、過去問や問題集を持っていると思います。勉強の順序は、目的によって異なります。
定期テストで高得点を目指す場合:
授業プリントを解く→分からないところで教科書を読む→過去問を解く
これで高得点を取れます。重要なことは、授業プリントと過去問だけで完結しないこと。教科書を読むことで、自分の大学では教えない部分や細かい知識が手に入りますので、教育格差が生じなくなります。

大学院試験で高得点を目指す場合(外部の大学院を目指す場合):
教科書にマーカーを引きながら読む→まとめノートを作る→問題集を解く→院試過去問を解く。
これで大体どこでも受かります。

あとは、教科書では理解できなかった問題については、問題集の類似問題とその回答を見て考えるとわかりやすいです。あとは、分からないことをグーグルで調べると、解説してくれているページが出てきたりもします。ネットの情報を過信することは危険ですが、一つの方法としてググることは良いです。

最後に一番重要なことは、点を取るために勉強することが最終目的ではなく、化学を理解して、将来いつでも知識を使えるようにすることを目指して勉強をしてください。

大学有機化学の勉強の概要

大学の有機化学の全体図を知ることで、それぞれの項目の勉強がしやすくなると思います。有機化学は、反応の理解およびいろいろな分子を作るための知識の習得が目的です。そのためには、分子の形と反応性について勉強して、その後に、反応を理解するためのツールの使い方を学びます。そして反応の基本形を勉強した後に、様々な反応の詳細を勉強します。

大学物理化学の勉強の概要

物理化学の全体図を知ることで、それぞれの項目の勉強する意味を知ることができます。物理化学は、量子化学的な部門と熱力学的な項目と速度論的な項目に分かれています。量子化学的な項目を勉強することで光化学や電気化学の基礎になります。熱力学について学ぶと反応が起こるか起こらないかを判別できます。計算化学にも繋がります。速度論について学ぶことで反応の途中を見ることが出来るようになります。これらは、有機化学や生化学の基礎でもありますので、勉強して使いこなせるようになりましょう。




まとめ

本項目では、大学化学の勉強法について述べた。これを読んだ人には大学化学の勉強をしっかりして欲しい。一方で、知識を詰め込むだけでは一流の研究者にはなれないと知って欲しい。今の時代『本で読めること、ネットで調べればわかること』は、あまり価値を持たない。大切なことは、『新しい化学を生み出せること』である。そうなると、知識だけで満点を取れても新しいアイディアが生み出せない人間は、三流の化学者から抜け出すことはできない。と言うことを早い段階で知っておくと良い。そして、アイディアを出せる化学者になるためには、どのように過去の人が考えて、このアイディアに至ったのかを想像しながら、一つ一つの教科書の項目を学んで行くことが大切である。自分が研究室に所属した後、もしくは独立した後にアイディアを出して一流の研究者として戦えるようになる。









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