大学の化学科ってなにを学ぶところなの?
大学化学で学ぶべきこと
大学化学って聞いてもピンとこない人も多いと思います。高校生であれば、高校での化学を想像しますが、高校化学と大学化学は少し違います。大学化学の方が、基礎の基礎から勉強し直すイメージです。また研究室配属がある点でも異なっています。勉強の内容としては、2つの化学から勉強をスタートします。1つは、無機・物理化学のベースとなる計算化学的な分野。主に熱力学や波動についてから始まります。もう1つは有機化学のベースとなる化学。周期表や分子軌道について学びます。大学化学科で学ぶ事
化学系の学科では、企業や研究所に就職した時に、化学の知識を持って活躍できる人材を育成することを目標としています。実際は、研究室配属の時に卒業研究をスムーズに進められるための基礎知識、教授と話をするための基礎知識を勉強します。卒業研究では、未知の現象を調べたり論理的に考えたりするので、これらの企業でも役立つ経験を積むために、基礎知識を勉強するわけです。1年次:
基礎化学、物理、数学を学びます。また、一般教養科目というものがあり、法学や哲学、文学等の一般的な教養の科目から、卒業に必要な単位数を選択して、授業を受けます。一般教養科目の先生は、化学科の先生ではない場合が多いので、授業は適当です。化学を勉強したい人には退屈かもしれません。2年生
から有機化学、物理化学、無機化学、分析化学を学びます。2年後半からは、より細かいところを学ぶようになります。一般教養科目は2年までに、卒業単位数を取得しておくことが望ましいです。3年生
それぞれの教授の研究内容に近い授業が行われることが多いです。化学工学や計算化学、量子化学、高分子化学の授業があります。また、これまでの勉強の成果を測るための、化学演習(有機、無機・物理、分析、化学工学)があります。面白い授業としては、学外の先生を招いて最新の研究の授業があったり、企業の研究者を呼んで企業での研究の話を聞ける授業があります。実験については、1~3年まで学生実験があります。学生実験は週に1回(6h)程度の実験を行います。授業自体は、実験用の教科書があり、その内容通りに予習をします。そして実験後には、レポートを課題としていることが多いです。
4年生
4年生になると研究室配属があります。学生は、自分がやりたい分野(有機無機物理化学)と合っている先生の研究室を志望します。研究室選びは、就職先に大きな影響を与えます。(企業側からは、研究内容を重視していない様ですが、学生からは、無機なら無機が強い企業みたいな形に就職活動をしています。)研究テーマは、教授の先生が考えたものをやるという形になるので、研究テーマなんで思いつかないって言う人でも全然大丈夫です。そのうち思いつく様になります。
修士になると学生が自分で考えた研究テーマをやる場合もあります。
*注意点としては、やる気のある先生と無気力で学校に来てるだけで指導しない先生がいます。しっかり指導してくれる先生の研究室に行かないと意味のない研究室生活になります。見分け方は、①論文を出しているか。②特許を出しているか。③先輩の評判です。もし、やる気のない先生の研究室に入ってしまった場合は、他大学の院を受けましょう。
卒業後7割以上が大学院に進学します。
研究職や開発職として、採用しているのは、大学院卒以上としている企業が多いです。そのため、研究開発職を狙うのであれば、大学院に進学しましょう。
大学院で学ぶこと
修士課程に進学した場合、少ないですが授業があります。内容は、学部で勉強した内容の発展系の授業と、教授が自分の研究内容を話すだけの授業があります。授業以外の時間は、研究室で自分の研究テーマを進める生活をします。一般的な研究室では、論文購読ゼミと言うものがあり、論文読んで、内容を簡潔にまとめて発表するというゼミがあります。1年間に2回発表の番が回って来ます。また、研究成果報告会というものもあり、年に2回くらい自分の研究テーマの発表を行います。研究室では、世界初の発見とか、世界一の性能とかを実現できます。特許も出せますし論文も書けます。やりがいはかなりあると思います。
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