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大学院について理系視点で説明する【大学との違い】

2020年5月6日  2021年2月3日 
大学と大学院は、一見同じに見えますよね。内面としては似てるところもありますが組織としては、『全く別物』です。しかし、多くの人が『大学=大学院』と考えているのも事実です。それはおそらく多くの大学院が『**大学大学院』と言う名前になっているからだと推察しています。実際に、大学院進学者の多くが『**大学→**大学大学院』というように進学するため、あまり大きな変化を感じていないことも『大学=大学院』と考える要員であると言えます。一方で、『就職に有利な進路に進みたい』『 大学の研究室とは違う研究室で学びたい』と考えている人には、『大学=大学院』という考えは、好ましくありません。あまり知られていませんが、大学院から進路を変更することは可能なのです。と言うことでまずは、大学と大学院について説明をします。

 大学とは

大学とは『高等教育を行う場所』であり、卒業することで『学士』を取得することができる。日本の大学は4年間であり、4年目に研究室やゼミに配属されて、卒業研究に取り組むのが一般的である。大学通うためには、入学試験を受けて1年から始めるタイプと3年次から編入学により入学する方法(高専からの入学が多い)がある。1~3年までは、講義を受けて単位を取得する形式の授業が多く、座学がメインである。

大学院とは

大学院とは、『大学で学ぶ知識よりも発展した内容を学ぶところ』と言われていますが、理系においては『大学より高度な研究を行い、研究を通じて、課題解決能力を養うところ』です。理系の大学院は、修士課程が2年間で博士課程が3年間になっています。授業の内容は、講義形式の授業はかなり少ないです。そのかわり余った時間は全て研究室での研究活動に費やします。そのため『学ぶコトは全て研究室に依存する』と考えて良いです。だからこそ研究室選びは超重要になっています。
また、どこの大学院もですが、学部とは別の組織です。そのため、どの大学院も『受験』をして入学します。受験の時期は大学4年の6月頃から始まります。願書を出す時期はもっと早いので、3年の冬休みにはどこの大学院を受験するか決めておいてください。大学院の『受験』は、どこの大学院を自由に受験しても良いです。出身大学の大学院に進学しなければならないという束縛は一切ありません。
時々、出身大学の大学院にいかなければならないと勘違いしてる人がいますが、全く問題がありません。(外部の大学院を受験することに難色を示す先生はいますが、自分の人生なので自分で選びましょう)

理系の大学院の種類について

学部に付随した大学院

日本の理系大学の多くは、学部に付随した大学院を持っていて、理系学生の進路として最も多いルートです。**大学**学部を卒業して、そのまま同じ大学同じ学科の大学院に進学するルートです。特徴としては、学部の卒業研究の続きの研究が出来ること。友達がそのまま修士課程でも一緒であること、先生も同じであるということが特徴です。一般的に学部の成績が良い人は、大学院試験(通称:院試)にて『推薦』というかたちで試験免除などの優遇が受けられます。とは言っても推薦の優遇が無くても旧帝大以外は、ほぼ100%合格が出来ます。

学部が無い大学院

研究所と併設されている大学院と言うものが有ります。卒業後の進路としては、比較的少ないルートです。例えば、奈良先端大学院大学や北陸先端大学院大学やOISTなどが有ります。また、東京工業大学大学院の一部もこれに含まれます。所属する先生は、学部に対しての教育に時間を使わないので、高度な研究能力を持つ先生が多いです。(てか、研究が出来ない人はいなくなります。)特徴は、いろいろな大学から人が集まるため、新しい人脈が出来ます。それなりの大学院試験がある所が多いです。

学士, 修士, 博士の違いについて(大学と大学院の違い)

学士:知識はある。

各分野の基本的な知識を持っている人間。専門的な書物を読んで内容を理解することができる。一方で、卒業研究で研究は行うものの、研究や開発といった能力は殆ど無い。就職先として、技術営業や品質管理の仕事に進むことができる。研究や開発の仕事に関わることは難しい。

修士:知識があり、手を動かして作れる

各分野の専門知識を持ち、さらに研究開発ができる人間。学部を卒業後2年間の研究活動を行う。修士課程では、研究をメインとした生活を送るため、ある程度の研究はできる。また、学会発表等を通じて発表能力・文章作成能力も身につけている。一方で、研究テーマの立案や論文執筆まで出来る人間は少ない。修士課程で研究が上手く出来なくても、正直言ってある程度サボっていても、外部から見たら分からないので就職は出来る。

博士:知識があり、知識を創造できる。当たり外れ激しい。

各分野の専門知識を持ち、研究開発が出来ることに加えて研究の立案や論文執筆が出来る人間。修士課程の後、3年間の研究を行う。その間に自分で研究案を立てられるようになり、論文も投稿する。一方で、研究室ごとに人物の育成方針が異なり、外部からの指導もないので、実際は人物ごとの能力差が非常に大きくなり『優秀な人間は超優秀。無能は、超無能』という状態になる。博士課程に進学する時は『大学名よりも、指導教員を考慮』して進学しなければ3年間を本当に無駄にする。一方で、恵まれた指導教官の下で3年間を過ごし、自分にも向上心があった場合には飛躍的に能力をつけることができる。



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