酸と塩基について【アレニウス,ブレンステッド-ローリー,ルイス】の定義
酸と塩基は、化学を勉強するうえで非常に重要な考え方です。高校の化学では、あまり詳しく勉強しないので、モヤモヤしていますが、大学では酸と塩基の定義からしっかりと勉強します。酸と塩基について、理解をするために知っているべき定義は3つあります。アレニウスの定義とブレンステッド・ローリーの定義とルイスの定義があります。実際に研究室で研究を始めると『これがブレンステッド酸として働く』とか『ルイス酸として働く』とかいう話が出てくるので、その時に理解できる様にしっかり基礎を抑えておきましょう。ポイントは『考え方の違いを理解する』事。
アレニウスの定義(H+とOH-に注目)
アレニウスの定義では、以下の様に定義されています。- 酸:水中で水素イオン(H+)を出す物質
- 塩基:水中で水酸化物イオン(OH-)を出す物質
最も初期の考え方で、化学科を出ていない人はこの考え方で酸塩基を説明すると思います。塩酸(HCl)が酸で水酸化ナトリウム(NaOH)が塩基とう説明がぴったりの定義です。
問題点としては、水中でしか酸塩基を説明出来ないのとアンモニアがOHを持っていないのに塩基性を示すことが問題点でした。
判別方法は、H+を出すか、OHーを出すか。
ブレンステッド・ローリーの定義(H+に注目)
ブレンステッド・ローリーの定義では、以下の様に酸塩基が定義されています。- 酸:プロトン(H+)を与える物質
- 塩基:プロトン(H+)を受け取る物質
このようにプロトンの動きで酸塩基を定義していて、アンモニアの説明も可能です。
判別方法は、H+を出すか、H+を受け取るか。
ルイスの定義(電子対に注目)
ルイス酸・ルイス塩基の定義では、電子対に焦点を当てた定義をしています。- 酸:電子対を受け取る側の分子
- 塩基:電子対を与える側の分子
この定義では、ブレンステッドの定義よりも幅広い定義になっています。特に、『電子対の授受』が重要ですので、孤立電子対が金属イオンにくっつく時の酸塩基の説明が可能になるところです。
判別方法は電子対を与えるか、受け取るか。
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