大学レベルの化学をわかりやすく解説するサイト。ネットで見れる化学の教科書 or 化学の参考書としてサイトを作っています。

大学教授になる方法

2021年4月4日  2021年4月5日 

 大学の教員になるのは、コネとか運とか言われていたり、なるのが難しいとは言われているが、実際にどういう手順で何を準備したら良いかが書かれていることはない。しかしながら、大学教授になるには、どういう順番で何をすればいいのかを知っているだけで、難易度が圧倒的に下がる。誰でも無謀ではないことを知って欲しいと思う。

 そこで、本記事では、大学教員になるために何をどう準備しておけば良いかを説明していく。

高校生の時から考えること

高校生の時に考えることは、大学院を意識して入試を受けること。大学教員になるには、ほぼ確実に博士課程に進学して、博士号を取得する必要がある。そのため、大学院も受験することになるので、大学試験で必ず良い大学にいく必要はない。ただし、あまりレベルが低い大学すぎると、順当な大学レベルの授業が行われていないので、全部自主勉強で大学試験を受けなければならない。(私も、大学のx授業をサボりすぎて全部自分で勉強し直すハメになりましたが、まあ自分で勉強できない人はそもそも大学の教員になれない)

 まあとりあえず大学教員を目指すなら日東駒専以上くらいには進学しておきたい。もちろん大学のレベルは高い方が良い。一方で上位旧帝大レベル以外の大学では、他大学の大学院に進学することをお勧めする。

大学時代にすること

定期テストで点をとるよりも本質的に専門の教科を理解できるように勉強をする。あとは、時間が許すかぎり遊びもやっておくこと。大学4年間あるので、2年の終わりくらいから大学院試験の受験準備を始める。特に、自分が専門にしたい教科を中心に勉強を行い、受験に必要な科目も押さえておく。そして受験する大学は2−3校考えておく。また、受験する大学の研究室に学振特別研究員がいるかを確認する。学振特別研究員は、アカデミックのための登竜門と考えられていて、これを持ってる博士学生は国からお金がもらえるだけではなくて、将来の箔がつく。研究の内容だけではなくて、研究を考える力が問われているので、博士課程のトレーニングをしっかりやっている研究室の方が、取得率が高いのは当然のことである。

学部時代の研究室選びは、修士課程に進学する研究室とは異なる研究内容を選ぶとよい。知見が広がるし、将来のためになる。

 本当は、勉強だけではなくて、研究の構築方法やアイディアの出し方みたいな『本質の考え方』を学んでおくべきだし、大学の授業でも教えるべきなんだけど、そこまで頭が回ってる人はなかなかいない。

大学院時代にやること

 大学院時代は、研究と論文作成に全てを掛ける。そのため、論文が出ていない研究室にいくと悲惨である。論文が出ていない研究室に行ってしまった場合は、民間企業への就職がお勧めである。だからこそ、研究室選びは重要である。

 修士2年になったら、学振特別研究員に申し込む。初めての申請書でクッソ大変だが書かないと受からないし、書かないと申請書作成能力が上がらない。申請書作成能力がないと大学教員になってもお金が取れなくて研究できなくなって、『あ。論文書いてない先生だw』って笑い者になる。だからこそ必須能力である。

 ちなみに学振特別研究員は合格率20−30%なので、大体落ちる。博士2年まで毎年出せるから、春がくるたびに憂鬱な気分になる。受かっていれば気楽だが、論文は書かないと話にならない。

 博士課程に進学したら、論文を書きまくる・学会にでまくる。この時、研究室にお金がないと自分で金を出さなければいけなくなる。これは完全に教員が悪いが、そんな研究室を選んだ人間も悪い。ちゃんと調べないとこうなるので、研究室選びはしっかり考える。

博士卒までに一流ジャーナル3本ファースト、後輩の指導などで名前を載せてもらう3本くらいを持っているのが最低ライン。一流ジャーナルではないなら10本とか出していれば確実に助教になれる。(私の場合は、3年の夏から助教への応募を始めた)

ポスドク時代

 有名研究室にいくか海外に行くかを決める。海外の方が箔が付く。この時に、博士卒のほとんどが民間への就職を選ぶ。民間の方が安定だし、民間から助教に応募すればいい訳だしね。ポスドク時代は、論文を書きながら助教にアプライする。35歳超えそうだったら民間への就職をした方がいい。表には出ていないが35才未満(若ければ若いほど良い)との内規がある。実際は、頑張っている人は、割と助教に受かっているので、論文数さえあれば意外と受かる。とにかくポスドクよりも特任助教を目指す。どうせ同じなので特任を選んだ方が良い気もする。ポスドク時代込みで10本(ファースト4本)あれば選ばなければ助教になれる(プレゼンテーションができること前提で)

助教時代

 助教には2通りがある。任期があるところと無いところだ。東大・東工大は全部のポストが任期付き(最近そうなった)である。一方で地方国立大学では、任期付き・任期なしの募集がある。研究型大学の場合は、自分のキャラを確立しないと准教授になれない。その他の地方国立大学の場合は、任期以内に1−2報の論文を出せばパーマネントになれる。

 私立大学の助教は給料がかなり高い。一方で、任期の問題から逃れることは難しい。低レベルの私立でも助教から准教授に上がりにくい。

准教授

 ここからは体験談ではなくて内部から見ていたことである。准教授は研究型大学とその他で明確に別れている。研究型大学では、任期付きの場合もあり、成果の出し方はえげつない。一方で、予算の額だったり、成果もすごいし、私が尊敬している人も多い。

 一方で、その他の大学では、入試業務や学生のお世話に時間をかなり割いている。でも割と楽であって、任期もない人で諦めて適当な人間も多い。万年准教授という生き物が生まれている。研究型大学ではない大学ではオトモダチ昇進も普通にあるので、不平不満が大きい。

教授

 研究型大学の教授は、世界的にキャラクターを確立してる人のみである。その他の大学の教授は、学科で1−2人くらいガチ勢がいるが、その他8割は、あまりすごくない。年功序列だったりオトモダチ政治がうまい人がいる。助教よりも論文も成果もないのに教授の人も普通に居て、その人たちに助教が審査されるという謎な状態もある。

ー記事をシェアするー
B!
タグ

コメント

大学ランキング.com
Youtube

Translate

人気の投稿